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感傷マドンナ |
『もしもし』 「鷹也さん?」 『そー。俺』 「どうしたんですか」 『悪い。こんな時間に』 「かまいませんけど」 『星野、俺さ、』 「はい」 『ソウと、ちゃんとつき合うことにした』 「―――そう、ですか・・・。由良さん、鷹也さんのこと好きだって・・・?」 『ああ。ようやく、振り向いてもらえた感じ』 「良かった・・・ですね」 『ああ。まだちょっと信じられないけどな』 「鷹也さん、声がトロけてますけど」 『え』 「アハハ」 『―――星野、あのさ』 「解かってます」 『―――』 「解かってました。俺は第三者でしたから、鷹也さんの気持ちも、由良さんの本心も、よく見えてました」 『ソウの本心って・・・』 「それは、これからゆっくり自分で確かめて下さい」 『厳しくないソレ?』 「当然です」 『まあ、でも、お前には、いっつもグチ聞いてもらって、助けられた。感謝してる』 「俺が欲しいのは感謝じゃないです」 『―――』 「すみません。もう言いません」 『星野―――ごめん』 「―――甘んじて、受け取ります。でも最後にお願いがあります」 『ん。何?』 「俺の目を見て、由良さんとのこと報告して下さい。電話だけじゃ、俺も諦めきれない」 『―――解かった。会いに行く時、また電話する』 「はい。じゃ、おやすみなさい」 『ああ。遅くに悪かった。じゃーな』 |
| 冥守は通話の切れた携帯電話を握りしめたまま、枕に顔を埋めた。 ずっと好きな人がいて。 その人は、『ほしのめがみ』なんて、洒落みたいな名前を気に入ってくれていた。 初めてセックスした時、「お前の親って、相当ロマンティックだな」と耳元に囁いて、そのまま激しく愛撫してくれた彼が好きだった。 今も勿論好きだけど。 でも、彼にはもう二度と抱かれることはない。 多分、こちらが誘っても、きっと彼は乗ってくれない。 ずっと前から欲しいと言っていた人を彼は手に入れたから。 遅かれ早かれそうなることは解かっていたけれど、でも、やっぱり、苦しくて、悔しくて。 自分が本気で彼に恋をしていたことを知る。 ただ、彼の相手があの人で良かったと思う。 失った恋をやわらげる恋なんてあるのだろうか。 |
i wish upon a star... |
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UPDATE 02112003 (C)ARIKA TATENO